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神経科

神経科

脳疾患(てんかん、脳腫瘍、脳炎、先天性脳疾患など)の診断と治療、脊髄疾患(椎間板ヘルニア、変性性脊髄症、脊髄腫瘍、脊椎腫瘍、外傷性脊髄損傷、環軸不安定症など)の診断と治療を行っています。

てんかん

―てんかん(癲癇)とは―

慢性の脳の病気の一種で、大脳の神経細胞の過剰な放電に由来する反復性の発作(てんかん発作)を主な症状とします。原因は様々で、しっかり調べてもてんかん以外の病気が見つからない場合を特発性てんかんと言いい、犬の場合はてんかんの原因の約半分を占めます。

  • てんかんの脳のMRI 検査
    明らかな異常がない

  • 脳腫瘍の脳のMRI 検査
    腫瘍の部分(赤矢印)

―こんな症状はありませんか―

時々おこる短時間で終了するけいれん、が最も一般的です。しかし、様々な発作症状(例体の一部分がピクピク勝手に動く、意識がはっきりせずに無意味な動きを繰り返す)もてんかんを原因としている場合があります。

―発症しやすい種類と年齢―

様々な動物種で起きます。犬の特発性てんかんは1〜5 歳の間に発症することが多く、それ以上の年齢であれば、脳に何らかの進行性の病気がある可能性が高くなります。

―もしてんかん発作が起きてしまったら―

突然の発作に家族の方は驚いてしまうでしょう。苦しそうに見えるし、全身けいれんは飼い主様の心のショックをあたえるかもしれません。しかし全身けいれんを起こしている時は意識が無いので苦しいとかつらいという感覚はありません。冷静になって、注意深く見守ることが大事なことです。
また体をおさえたり、ゆすったり、口の中へものをいれたりもしないでください。
落ち着いて近くに危険なものがないかどうか、また落下するような危険な場所でないかを確認しましょう。
とても重要なことですが携帯電話などで発作時の動画を撮影してください。

以下の発作の状況を確認しておいてください

1.発作を起こした時は何をしていたか
2.発作の始まりはどこから起こったか
3.それからどのようになったか
4.意識はどうであったか
5.始まりから終わりまで何分くらい経過したか
6.発作の後はどうなったか
7.完全に回復するのに何分くらい必要だったか
8.発作を起こす前に普段と変わった行動をとったか
9.それは発作のどれくらい前であったか

これらの情報が診断、治療の手助けになります。

―てんかんの治療―

抗てんかん薬が主体となります。原因疾患がある場合は原因疾患の治療を併用することが重要になります。

椎間板ヘルニア

椎間板ヘルニア
―椎間板ヘルニアとは―

椎間板(脊椎を滑らかに曲げたり、背骨に加わる外力を吸収したりするクッション)が潰れて、内容物または椎間板自体が脊髄や神経を圧迫した状態です。

―好発犬種―

椎間板疾患はすべての犬種に認められますが、特にミニチュア・ダックス、ウエルッシュ・コーギー、ビーグルなどの犬種に多くみられます。

―症状―

腰を丸めている、抱き上げたときにキャインと鳴く、震えて元気がない、寝床から出てこない、触ると嫌がる、上を向かない、などがサインです。
重症例では、後肢を引きずる、尿、便が漏れるまたは出ない、などの麻痺がみられることがあります。

―治療―

椎間板ヘルニア症状がみられた場合は、早急に治療が必要です。
治療には内科的治療(ステロイド療法など)、外科的治療(造窓術、椎弓切除術など神経の圧迫を解除)があります。
病気のグレード、動物の状態を考慮し治療方法を選択いたします。

手術の場合は、病変部の位置や程度を確定するために脊髄造影検査あるいはCT、MRI検査を行い、病変の部位、病態を確認して手術の方法を選択します。

  • 椎間板ヘルニアのMRI 検査
    椎間板物質による脊髄の圧迫(赤丸)

  • 椎間板ヘルニアを除去した脊髄(赤矢印)

  • 除去した椎間板物質(赤矢印)

環軸不安定症

頚部の骨である第一頸椎(環椎)と第二頚椎(軸椎)から環軸関節は形成されています。
環軸関節は第二頚椎から前方へ伸びる歯突起および靭帯により安定性が保たれ、頭部の回転運動を担っており、頚部のなめらかな動きを可能にしています。
環軸不安定症は、この構造の不安定化により脊髄の損傷が起き、それに伴い軽度の場合は頚部の疼痛やこわばり、起立姿勢や歩行の異常、重度の場合は四肢の麻痺、排尿障害、および呼吸異常等さまざまな症状が認められます。

  • 環軸不安定症のMRI 検査
    重度の脊髄の圧迫(赤矢印)

Before         After

環軸不安定症の術前のレントゲン写真     ⇒    環軸不安定症の術後のレントゲン写真

   環椎軸椎の重度の不安定(赤丸)          骨セメントによる環椎軸椎の安定化(赤丸)

環軸不安定症の術前のレントゲン写真
 環椎軸椎の重度の不安定(赤丸)
⇒ 環軸不安定症の術後のレントゲン写真
 骨セメントによる環椎軸椎の安定化(赤丸)

セカンドオピニオン

セカンドオピニオンを積極的に受けつけていますので、発作が治らない・減らない、また麻痺が改善しないなど、病気の診断や治療への不安や疑問を持たれている方はお気軽に相談下さい。
現在治療中の方は、分かる範囲で構いませんので、今までの治療経過(お薬の内容、発作の頻度、麻痺の時期など)のメモや検査結果のご用意をお願いします。診断、治療の参考になります。
またセカンドオピニオンは大変時間がかかる場合がありますので、事前にご連絡を下さい。必要に応じて予約診療とさせていただくことがあります。

セカンドオピニオン